ピラティスを始めようと調べると、よく目にするのが「呼吸法」です。「胸式呼吸って何?」「ヨガの呼吸と何が違うの?」「動きながら呼吸なんてできるかな」と、最初に不安を感じやすいポイントでもあります。

実際、ピラティスの呼吸は慣れるまで少しコツがいります。ただ、仕組みを知って順番に練習すれば、特別な才能は必要ありません。うまくできない時期があるのも自然なことです。

この記事では、パーソナルピラティス VERT34が、ピラティスの呼吸法の考え方、胸式呼吸のやり方、練習のコツ、そしてつまずきやすいポイントと対処のヒントを、初めての方にもわかるように解説します。

結論:ピラティスの呼吸法で押さえたい3つのこと

最初に、この記事の要点をまとめます。細かいやり方は後半で順番に説明します。

  • ピラティスでは主に「胸式呼吸」を使う:お腹の奥を軽く保ったまま、肋骨を横や後ろに広げるように吸い、ゆっくり吐きます
  • 動きと呼吸をセットで考える:「準備で吸って、動きながら吐く」が基本の目安です。ただし最初は、呼吸を止めないことを優先して大丈夫です
  • 完璧を目指さず、少しずつ慣れる:肩が上がる、苦しくなるといったつまずきは自然なことです。1対1で見てもらうと、自分では気づきにくいクセに気づきやすくなります

呼吸は、ピラティスのすべての動きの土台になる要素です。だからこそ、最初に「なぜこの呼吸をするのか」を知っておくと、その後のレッスンがぐっと理解しやすくなります。

ピラティスの呼吸法「胸式呼吸」とは

ピラティスでよく使われるのが「胸式呼吸」です。ラテラル呼吸(横に広げる呼吸)と呼ばれることもあります。まずは、ふだん何気なくしている呼吸との違いから見ていきましょう。

胸式呼吸と腹式呼吸の違い

呼吸の方法は、大きく「腹式呼吸」と「胸式呼吸」に分けて説明されることが多いです。

腹式呼吸 胸式呼吸(ピラティス)
吸うときに主に動くところ お腹が前にふくらむ 肋骨が横・後ろに広がる
お腹の状態 ゆるめてふくらませる 奥のほうを軽く保つ
よく使われる場面 リラックスを目的とした呼吸など 体幹を保ちながら動くとき

腹式呼吸では、吸うときにお腹をふくらませます。一方、ピラティスの胸式呼吸では、お腹の奥を軽く引き込んだ状態を保ちます。そのまま肋骨まわりを広げるように空気を取り込むのが特徴です。

どちらが正しい・優れているという話ではありません。目的によって使い分けるもの、と考えるとわかりやすいです。ヨガとの違いについては「ピラティスとヨガの違い」でも詳しく紹介しています。

なぜピラティスでは胸式呼吸を使うのか

ピラティスは、体の中心(体幹)を保ちながら、手足や背骨を動かしていくエクササイズです。もし吸うたびにお腹が大きくふくらんでゆるむと、動きの途中で体の中心が不安定になりやすくなります。

胸式呼吸なら、お腹の奥を軽く保ったまま呼吸を続けられます。そのため、体幹を意識しながら動くことにつながりやすいのです。

また、息をゆっくり吐くときには、お腹まわりの筋肉が自然と働きやすくなります。呼吸を通して「お腹の奥の筋肉を使う感覚」をつかみやすい、という点もピラティスで胸式呼吸を使う理由のひとつです。

呼吸に関わる体の仕組みを知っておこう

やり方に入る前に、呼吸に関わる体の仕組みを簡単に押さえておきましょう。イメージがあるだけで、練習のときに意識を向ける場所がはっきりします。

横隔膜と肋骨の動き

呼吸の中心になる筋肉が「横隔膜(おうかくまく)」です。肋骨の内側、胸とお腹の境目にあるドーム状の筋肉です。

息を吸うと横隔膜が下がり、肺に空気が入るスペースが広がります。このとき肋骨も、横や後ろ、斜め上へと広がるように動きます。息を吐くと横隔膜は元の位置に戻り、肋骨も閉じていきます。

ピラティスの胸式呼吸では、この「肋骨が広がる・閉じる」動きをていねいに感じることを大切にします。前だけでなく、背中側や脇腹側にも空気が入っていくイメージを持つのがポイントです。

お腹の奥の筋肉とのつながり

お腹の奥には、コルセットのように胴体を囲む「腹横筋(ふくおうきん)」があります。また、骨盤の底には「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」があります。

これらの筋肉と横隔膜は、胴体という「筒」の壁・底・天井のような関係にあります。呼吸とあわせて働くことで、体の中心を内側から支えていると考えられています。

ピラティスで「お腹の奥を軽く保ちながら呼吸する」のは、この筒全体を意識しながら動くためです。体幹のしくみについては「ピラティスで意識する体幹とは」でも詳しく説明しています。

胸式呼吸のやり方:3つのステップで練習しよう

ここからは、実際の練習方法です。最初は座った姿勢か、仰向けで膝を立てた姿勢で行うのがおすすめです。どちらも体が安定しやすく、呼吸に集中しやすくなります。

ステップ1:楽な姿勢をつくる

椅子に座る場合は、坐骨(お尻の下の骨)で座面を感じるように座ります。背もたれには寄りかからず、頭のてっぺんが上に引っ張られるイメージで背筋を伸ばしましょう。

仰向けの場合は、膝を立てて足裏を床につけます。腰を強く押しつけたり、大きく反らせたりしない、自然なカーブを保つ位置を探します。

肩や首に力が入っていないかも確認しましょう。肩を一度すくめてからストンと下ろすと、力が抜けやすくなります。

ステップ2:手を肋骨に当てて、横に広げるように吸う

両手を肋骨の横(脇腹の少し上)に当てます。指先が軽く触れるくらいで大丈夫です。

鼻からゆっくり息を吸いながら、手を押し返すように肋骨が横へ広がるのを感じます。背中側にも空気が入っていくイメージを持つと、より広がりを感じやすくなります。

このとき、お腹が前に大きくふくらまないように意識します。ただし、お腹をカチカチに固める必要はありません。「おへそを背骨のほうへ軽く近づけておく」くらいの意識で十分です。

ステップ3:お腹の奥を保ったまま、ゆっくり吐く

口から細く長く息を吐きます。唇を軽くすぼめて、ろうそくの火を揺らさないように吐くイメージです。

吐きながら、手の中で肋骨が内側に閉じていくのを感じましょう。同時に、お腹の奥がさらに少し引き込まれる感覚があれば、うまくできているサインです。

吐く時間は、吸う時間と同じか、少し長めを目安にします。最初は5回ほど繰り返し、苦しくなったら普段の呼吸に戻して休んでください。

自宅で練習するときの目安

胸式呼吸は、特別な道具がなくても練習できます。朝起きたときや、寝る前のベッドの上など、落ち着ける時間に数回行うだけでも十分です。

大切なのは、長時間まとめて行うことより、短くても思い出す回数を増やすことです。「肋骨が横に広がる感覚」を少しずつ体に覚えさせていくイメージで続けてみましょう。

練習中に頭がぼーっとしたり、息苦しさを感じたりしたら、すぐに普段の呼吸に戻してください。無理に回数や長さを増やす必要はありません。

動きと呼吸を合わせるコツ

胸式呼吸そのものに慣れてきたら、次は動きと組み合わせていきます。ここがピラティスの呼吸でいちばん難しく感じやすいところです。

基本は「準備で吸って、動きながら吐く」

ピラティスでは、動く前の準備で息を吸い、力を使う動きに合わせて息を吐く、という流れが多く使われます。

たとえば仰向けで頭と肩を少し持ち上げる動きなら、次のような流れです。

  1. 仰向けで膝を立て、鼻から息を吸って準備する
  2. 口から吐きながら、頭と肩を持ち上げる
  3. 持ち上げた位置で、胸式呼吸で吸う
  4. 吐きながら、ゆっくり元の位置に戻る

吐きながら動くことで、お腹の奥の筋肉が働きやすく、動きが安定しやすくなります。ただし、エクササイズによっては逆のパターンもあります。あくまで「よく使われる目安」として覚えておきましょう。

呼吸を止めないことを優先する

動きと呼吸のタイミングを合わせようとするあまり、息を止めてしまうことがあります。実は、これがいちばん避けたい状態です。

息を止めると、首や肩に余計な力が入りやすくなります。体もこわばり、動きが小さくなりがちです。

慣れないうちは、タイミングが多少ずれても問題ありません。「呼吸を続けながら動く」ことを最優先にしましょう。タイミングは、回数を重ねるうちに自然と合ってきます。

動きのスピードは呼吸に合わせる

ピラティスの動きは、基本的にゆっくり、コントロールしながら行います。呼吸が慌ただしくなるなら、動きが速すぎるサインかもしれません。

「ひと呼吸でここまで動く」と決めて、呼吸の長さに動きを合わせるイメージを持つと、落ち着いて取り組みやすくなります。

よくあるつまずきと対処のヒント

ピラティスの呼吸で、初めての方がつまずきやすいポイントをまとめました。どれも珍しいことではないので、安心してください。

吸うときに肩が上がってしまう

胸式呼吸を意識すると、胸の上のほうだけで吸ってしまい、肩がすくみやすくなります。

対処のヒントは、「上」ではなく「横と後ろ」に広げる意識を持つことです。肋骨に手を当てて、手のひらを押し返すように吸ってみましょう。鏡があれば、肩の高さが変わっていないか確認するのも有効です。

お腹を固めすぎて苦しくなる

「お腹を保つ」を意識しすぎて、力いっぱいお腹を固めてしまうケースもあります。これでは肋骨も広がりにくく、呼吸が浅くなってしまいます。

お腹の意識は「軽く」で十分です。力の入れ具合を10段階でいえば、2〜3くらいのイメージから始めてみてください。

吸う・吐くのタイミングがわからなくなる

動きが複雑になると、「今は吸う?吐く?」と混乱しがちです。これもよくあることです。

迷ったときは、いったん動きを止めて呼吸を整えましょう。そのうえで「力を使うところで吐く」という基本に戻ると、整理しやすくなります。

呼吸を意識すると動きがぎこちなくなる

呼吸に集中するあまり、体の動きがおろそかになることもあります。最初から呼吸と動きの両方を完璧にこなそうとしなくて大丈夫です。

最初は動きだけ、次に呼吸だけ、最後に両方を合わせる。このように段階を分けて練習すると、少しずつ一体化していきます。

1対1のマットピラティスで呼吸を練習するメリット

呼吸は目に見えにくいため、自分だけでは「できているかどうか」を判断しにくいものです。ここでは、パーソナル(1対1)で練習するメリットを紹介します。

自分では気づきにくいクセに気づける

肩が上がる、息を止めている、お腹を固めすぎている。こうしたクセは、自分では気づきにくいものです。

VERT34のセッションは1対1なので、呼吸と動きの様子をその場で見て声をかけられます。体の状態やクセに合わせてメニューを調整できるのも、1対1だからこそです。

周りを気にせず、自分のペースで練習できる

VERT34は完全個室です。他のお客様の目を気にせず、わからないところをその場で質問できます。

呼吸のペースは人によって違います。周りに合わせる必要がないので、ゆっくり自分のペースで呼吸を確かめられます。

マット1枚だから、自宅でも思い出しやすい

VERT34はマットピラティス専門です。器具を使わず、マット1枚で行うため、セッションで練習した呼吸を自宅で振り返りやすいのも特徴です。

料金は30分×月8回なら1回あたり3,125円からです。プランの詳細は料金ページでご確認いただけます。

よくある質問

鼻から吸って口から吐くのが基本ですか?

ピラティスでは、鼻から吸って口から吐く方法がよく使われます。口から細く吐くと、お腹の奥の筋肉が働いている感覚をつかみやすいためです。ただし、鼻が詰まっている日などは無理をせず、楽な方法で呼吸を続けることを優先してください。

呼吸法がうまくできなくても、ピラティスを始めて大丈夫ですか?

大丈夫です。最初から完璧にできなくても問題ありません。呼吸は、セッションを重ねながら少しずつ身についていくものです。初めての方向けの心がまえは「ピラティス初心者が知っておきたいこと」でも紹介しています。

日常生活でも胸式呼吸をしたほうがいいですか?

日常のすべての場面で胸式呼吸をする必要はありません。ピラティスの胸式呼吸は、体幹を保ちながら動くための呼吸です。休むときやリラックスしたいときは、楽な呼吸で過ごして問題ありません。

持病があったり、妊娠中・産後だったりしても呼吸の練習はできますか?

呼吸器や心臓などの持病がある方、妊娠中・産後の方は、医師に相談のうえで取り組むようにしてください。息苦しさやめまいを感じたら、すぐに中止して普段の呼吸に戻しましょう。

まとめ:ピラティスの呼吸は「知って、少しずつ慣れる」

ピラティスの呼吸法について、ポイントを振り返ります。

  • ピラティスでは、お腹の奥を軽く保ちながら肋骨を広げる「胸式呼吸」を主に使う
  • 動きと合わせるときは「準備で吸って、動きながら吐く」が基本の目安。最初は呼吸を止めないことを優先する
  • 肩が上がる・お腹を固めすぎるなどのつまずきは自然なこと。段階を分けて練習する

呼吸は、ピラティスのすべての動きの土台です。とはいえ、本や動画だけで「できているか」を判断するのは難しいものです。

パーソナルピラティス VERT34では、完全個室・1対1のマットピラティスで、呼吸の感覚をその場で確かめながら練習できます。田町・三田と横浜の2店舗は、どちらも駅から歩いて通いやすい立地です。体験セッションは30分2,200円、60分5,500円で受けていただけます。まずは体験セッションのお申し込みから、呼吸の練習を一緒に始めてみませんか。