ピラティスとヨガ。どちらもマットの上で行うことが多く、ゆったりした動きのイメージがあります。そのため、「結局どちらも同じようなものでは?」と感じている方も少なくないでしょう。
実は、この2つは成り立ちも目的も異なる運動です。呼吸の仕方や体の動かし方にも、はっきりとした違いがあります。違いを知っておくと、自分の目的に合うほうを選びやすくなります。
この記事では、ピラティスとヨガの違いを「目的」「呼吸」「動き方」の3つの視点から整理しました。それぞれがどんな方に向いているのかもまとめています。なお、ヨガにはさまざまな流派やスタイルがあるため、ここでは一般的な傾向としてお伝えします。
結論:体の使い方を整えたいならピラティス、心身のつながりを深めたいならヨガ
まず、この記事の要点を3つにまとめます。
- 目的:ピラティスは体をコントロールする力や、姿勢・体の使い方への意識を育てることを重視します。ヨガは、心と体のつながりや、心の落ち着きを大切にする傾向があります
- 呼吸:ピラティスでは胸式呼吸を用いるのが一般的です。ヨガでは腹式呼吸を用いるスタイルが多く見られます
- 動き方:ピラティスは、動き続けるなかで体をコントロールします。ヨガは、ポーズをとってしばらく保つ時間が長めです
どちらが優れているという話ではありません。求めているものに合わせて選ぶのが、長く続けるためのコツです。
ピラティスとヨガ、成り立ちの違い
ピラティスとヨガの違いを理解するには、まず成り立ちを知っておくとわかりやすくなります。どちらも長く親しまれてきた運動ですが、生まれた背景が大きく異なります。
ヨガ:心と体のつながりを大切にしてきた長い歴史
ヨガは、古代インドにルーツを持つといわれる修行法です。もともとは、心を静め、自分と向き合うための実践として受け継がれてきました。
現在、多くの人が「ヨガ」と聞いて思い浮かべるのは、さまざまなポーズをとる運動でしょう。こうしたポーズは、ヨガの一部分にあたります。本来のヨガには、呼吸法や瞑想なども含まれ、心と体の両方に目を向ける考え方が根底にあります。
ピラティス:体をコントロールするエクササイズとして考案
ピラティスは、20世紀前半にジョセフ・ピラティスという人物が考案したエクササイズです。本人はこの方法を「コントロロジー」と呼んでいたといわれています。
その名のとおり、ピラティスの中心にあるのは「自分の体を自分でコントロールする」という考え方です。体幹を安定させながら、背骨や手足を正確に動かしていく。こうした体の使い方を身につけるための方法として発展してきました。
つまり、ヨガは心の在り方も含めた実践から、ピラティスは体の使い方を整えるエクササイズから生まれた、と整理するとイメージしやすいでしょう。
目的の違い:「体のコントロール」と「心身のつながり」
成り立ちの違いは、そのまま目的の違いにも表れています。
ピラティスが重視するのは、体を思いどおりにコントロールすることです。体幹で体を支えながら、必要な部分だけを動かす。そうした練習を通して、姿勢や日常の体の使い方を意識しやすくなることを目指します。
一方ヨガは、ポーズや呼吸を通して、心と体のつながりを感じることを大切にする傾向があります。体を動かすことに加えて、心を落ち着ける時間としてヨガを取り入れている方も多いでしょう。
もちろん、ピラティスをしていて気持ちがすっきりすることもありますし、ヨガで体の使い方を意識することもあります。重なる部分はありつつも、「どこに重心を置いているか」が違う、と考えるとわかりやすいかもしれません。
日常生活への活かし方の違い
目的の違いは、日常生活への活かし方にも表れます。
ピラティスで身につけたいのは、立つ・座る・歩く・物を持つといった普段の動作での体の使い方です。たとえば、デスクワーク中に「今、背中が丸まっているな」と気づく。荷物を持ち上げるときに「お腹で支えてから持とう」と意識する。そうした小さな気づきを、日常のなかで増やしていくイメージです。
ヨガの場合は、呼吸を整えたり、気持ちを切り替えたりする時間として日常に取り入れる方が多いでしょう。寝る前に少し体を伸ばしてゆっくり呼吸する、といった過ごし方は、ヨガらしい活かし方のひとつです。
どちらも「スタジオの中だけで終わらせない」という点は共通しています。自分が日常で何を大切にしたいかを考えると、選ぶヒントになるはずです。
呼吸の違い:胸式呼吸と腹式呼吸
呼吸の仕方は、ピラティスとヨガの違いがわかりやすく表れるポイントです。
ピラティスは胸式呼吸が基本
ピラティスでは、一般的に「胸式呼吸」を用います。息を吸うときは、あばら骨まわりを横や後ろに広げるようにふくらませます。吐くときは、お腹を薄くしながら、あばら骨を閉じていくイメージです。
胸式呼吸を使う理由のひとつは、お腹まわりを安定させたまま呼吸するためです。吸うときにお腹を大きくふくらませないことで、動いている最中も体幹を意識しやすくなります。呼吸と動きのタイミングを合わせるのも、ピラティスの大切なポイントです。
呼吸の練習方法やつまずきやすいポイントは、ピラティスの呼吸法を解説した記事で詳しく紹介しています。
ヨガは腹式呼吸を用いることが多い
ヨガでは、腹式呼吸を用いるスタイルが多く見られます。息を吸うときにお腹をふくらませ、吐くときにへこませる呼吸です。鼻から吸って鼻から吐く呼吸を大切にするスタイルもあります。
ゆったりとした腹式呼吸は、リラックスした状態をつくりやすいといわれています。ポーズを保ちながら呼吸に意識を向ける時間は、ヨガならではのものです。
| 比べるポイント | ピラティス | ヨガ(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 呼吸の種類 | 胸式呼吸 | 腹式呼吸が多い |
| 吸うときのイメージ | あばら骨を横・後ろに広げる | お腹をふくらませる |
| 呼吸と動きの関係 | 動きのタイミングに合わせる | ポーズを保ちながら深める |
動き方の違い:「保つ」ヨガと「動きの中で整える」ピラティス
実際に体を動かしてみると、動き方にも違いがあることに気づきます。
ヨガはポーズを「保つ」時間が長め
ヨガでは、ひとつのポーズをとってから、呼吸をくり返しながらしばらく保つことがよくあります。ポーズの中で体を伸ばしたり、バランスをとったりしながら、自分の体の状態を感じていきます。
柔軟性を使うポーズも多いため、「体が柔らかくないとできないのでは」と心配される方もいます。実際には、自分のできる範囲で行えばよいとされていることがほとんどです。
ピラティスは「動きの中で」コントロールする
ピラティスは、ひとつの姿勢で止まるよりも、動き続けるなかで体をコントロールすることを重視します。たとえば背骨を一つずつ丸めていく、脚を一定のリズムで動かす、といった動きを呼吸に合わせてくり返します。
たとえば、座った姿勢から背骨を一つずつ丸めながら後ろへ倒れていく動きがあります。勢いを使えば簡単にできそうですが、ゆっくり行おうとすると、お腹の奥で支え続ける必要があることに気づきます。
動きの大きさよりも、正確さが大切です。体幹を安定させたまま、動かしたい部分だけを動かす。これがピラティスの基本的な考え方です。柔軟性よりも、「どこで支えているか」を意識する場面が多いといえます。
使う道具の違い
ヨガは、マット1枚で行うのが一般的です。ブロックやベルトなどの補助具を使うこともあります。
ピラティスには、マットで行う「マットピラティス」と、専用の器具を使う「マシンピラティス」があります。マットで行うピラティスとヨガは、見た目が似ているため混同されやすいのかもしれません。マットピラティスについては、マットピラティスとは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。
ピラティスとヨガの違いを一覧表で比較
ここまでの内容を、ひとつの表にまとめました。
| 比べるポイント | ピラティス | ヨガ(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 成り立ち | 20世紀前半に考案されたエクササイズ | 古代インドにルーツを持つといわれる修行法 |
| 主な目的 | 体をコントロールする力・体の使い方への意識 | 心と体のつながり・心の落ち着き |
| 呼吸 | 胸式呼吸 | 腹式呼吸が多い |
| 動き方 | 動きの中で体をコントロールする | ポーズをとって保つ時間が長め |
| 意識する中心 | 体幹・背骨・骨盤の安定 | 呼吸・ポーズ・心の状態 |
| 主な道具 | マット、または専用器具 | マット、補助具を使うことも |
表で見ると、似ているようで、それぞれの個性があることがわかります。
あなたに向いているのはどっち?
違いがわかったところで、どちらが自分に合っているかを考えてみましょう。あくまで目安ですので、気軽に参考にしてください。
ピラティスが合いそうな方
- 姿勢や体の使い方のクセを意識しやすくなりたい方
- 体幹を安定させる感覚をつかみたい方
- 体が硬く、柔軟性が求められるポーズに不安がある方
- 一つひとつの動きを論理的に理解しながら進めたい方
- デスクワークなどで、同じ姿勢が続きやすい方
ピラティスは柔軟性を競う運動ではないため、体が硬い方でも始めやすいといえます。1対1で教わると、自分の体に合わせて動きを調整しやすくなります。
ヨガが合いそうな方
- 心を落ち着ける時間を大切にしたい方
- ゆったりした呼吸で、リラックスする時間がほしい方
- 体を気持ちよく伸ばすことが好きな方
- 瞑想や呼吸法など、心の面にも関心がある方
ヨガにはゆったりしたものから運動量の多いものまで、さまざまなスタイルがあります。ヨガを選ぶ場合は、自分の目的に合うスタイルかどうかも確認しておくと安心です。
両方を取り入れるのもひとつの方法
ピラティスとヨガは、どちらか一方しか選べないものではありません。たとえば、ピラティスで体の使い方を意識しつつ、ヨガで心を落ち着ける時間をとる、という取り入れ方もあります。
大切なのは、自分が無理なく続けられるかどうかです。まずはどちらかを始めてみて、合うかどうかを体で感じてみるのがよいでしょう。
ピラティスを1対1で始めるという選択
ピラティスを始めるなら、最初は1対1で教わる方法もおすすめです。ピラティスの動きは、骨盤の傾きや背骨の位置など、細かなポイントで意識しやすい部分が変わります。自分ではできているつもりでも、少しずれていることは珍しくありません。
パーソナルピラティス VERT34では、インストラクターと1対1でマットピラティスを行います。体の状態やクセに合わせて、その都度メニューを調整できるのが1対1の良さです。完全個室なので、ほかのお客様の目を気にせず、呼吸や動きに集中していただけます。
ピラティスとヨガについてよくある質問
ピラティスとヨガ、初心者が始めやすいのはどちらですか?
どちらも初心者の方が始めやすい運動です。ピラティスは柔軟性をあまり求めないため、体が硬い方でも始めやすいといえます。ヨガも、自分のできる範囲で行えるスタイルが多くあります。目的に近いほうを選ぶのがおすすめです。
ピラティスでもリラックスできますか?
ピラティスは体をコントロールすることに集中する運動ですが、終わったあとに気持ちがすっきりしたと感じる方もいます。呼吸に意識を向ける時間は、慌ただしい日常から少し離れるきっかけにもなりやすいでしょう。
ヨガ経験者がピラティスを始めるときの注意点はありますか?
最初は呼吸の違いに戸惑うことがあるかもしれません。腹式呼吸に慣れている方ほど、胸式呼吸でお腹を薄く保つ感覚が新鮮に感じられるでしょう。慣れるまでは、呼吸を意識しながらゆっくり動くことを大切にしてください。
ピラティスはどのくらいの頻度で続けるとよいですか?
生活のペースに合わせて、無理なく続けられる頻度を選ぶことが大切です。VERT34では、週1回程度にあたる月4回と、週2回程度にあたる月8回のプランをご用意しています。頻度の考え方は、ピラティスは週何回がよいかを解説した記事で詳しくまとめています。
妊娠中や産後でも始められますか?
妊娠中や産後の方は、体の状態が大きく変化している時期です。ピラティス・ヨガのどちらを始める場合も、医師に相談のうえで検討してください。体調に不安があるときは、無理をしないことを優先しましょう。
まとめ:違いを知ったうえで、自分に合う運動を選びましょう
ピラティスとヨガは、どちらもマットの上で行うことが多く、似た印象を持たれがちです。しかし、成り立ちや目的、呼吸、動き方にはそれぞれ違いがあります。
体の使い方や姿勢への意識を高めたいならピラティス。心と体のつながりや、心の落ち着きを大切にしたいならヨガ。そんなふうに、自分の求めるものに合わせて選んでみてください。
パーソナルピラティス VERT34は、マットピラティス専門のスタジオです。完全個室・1対1で、呼吸や体の使い方を一つずつ確認しながら進めていきます。田町・三田と横浜の駅近2店舗で、料金は料金ページにまとめています。「ピラティスが自分に合うか試してみたい」という方は、ぜひ30分2,200円の体験セッションから始めてみてください。ご予約はお問い合わせフォームで受け付けています。
TRIAL SESSION
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