「体幹が弱い気がする」「体幹を鍛えたほうがいいと聞くけれど、そもそも体幹ってどこ?」。運動を始めようとしたとき、こんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

体幹という言葉はよく耳にしますが、指している範囲や意味は意外とあいまいです。腹筋を割ることと同じだと思われていることもあります。ピラティスでいう体幹は、少し違った考え方で捉えます。

この記事では、パーソナルピラティス VERT34が、体幹とは何か、体幹を支えるインナーマッスルの仕組み、ピラティスでの体幹へのアプローチ、体幹を意識しやすい基本の動き、そして日常への活かし方を解説します。

結論:ピラティスで体幹を意識するために知っておきたい3つのこと

最初に、この記事の要点をまとめます。

  • 体幹とは、頭と手足を除いた「胴体」全体のこと:お腹の表面だけでなく、背中や骨盤まわり、お腹の奥の筋肉まで含みます
  • ピラティスでは「固める」より「支えながら動く」ことを大切にする:腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜といったインナーマッスルを、呼吸とあわせて働かせる意識を持ちます
  • 体幹の意識は、日常の動きに活かしてこそ意味がある:立つ・座る・歩く・物を持つといった動作の中で、体の中心を感じられるようになることを目指します

体幹は、一度「つける」と終わりのものではありません。日々の体の使い方の中で、少しずつ意識しやすくなっていくものです。

体幹とはどこのこと?

まずは、体幹という言葉が指す範囲を整理しておきましょう。

体幹は「胴体」全体を指す言葉

体幹とは、一般的に頭と腕・脚を除いた胴体部分を指します。胸、お腹、背中、腰、骨盤まわりまでを含む、体の中心となる部分です。

「体幹=腹筋」と思われがちですが、実際にはお腹の前側だけでなく、脇腹、背中、骨盤の底まで、ぐるりと胴体を囲む筋肉すべてが関わっています。

インナーマッスルとアウターマッスル

体幹の筋肉は、大きく2つに分けて説明されることがあります。

インナーマッスル アウターマッスル
位置 体の深いところ 体の表面に近いところ
主な役割のイメージ 関節や背骨を安定させる 大きな力を出す・大きく動かす
例 腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜 腹直筋・広背筋など

どちらかだけが大切なわけではありません。インナーマッスルが体の中心を支え、アウターマッスルが大きく動かす。両方がうまく協力することで、スムーズな動きにつながると考えられています。

ピラティスでは特に、ふだん意識しにくいインナーマッスルに目を向けることを大切にします。筋肉についての詳しい解説は「ピラティスで使う筋肉」でも紹介しています。

「体幹が弱い」と感じるのはどんなとき?

「体幹が弱い」という言葉は、はっきりした基準があるわけではありません。ただ、日常の中で次のような場面に心当たりがあり、体幹を意識したいと考える方もいます。

  • 座っていると、だんだん背もたれに寄りかかってしまう
  • 片脚立ちで靴下を履くとき、ふらつきやすい
  • 立ちっぱなしや座りっぱなしのあと、腰まわりが疲れやすい

こうした感覚の背景にはさまざまな要因があり、体幹だけが理由とは限りません。痛みやしびれを伴う場合は、医師に相談してください。

体幹を内側から支える4つのインナーマッスル

体幹の奥には、胴体を内側から支える筋肉があります。ここでは代表的な4つを紹介します。この4つは、胴体を「筒」にたとえると、壁・背骨側の柱・底・天井のような関係にあると説明されることがあります。

腹横筋(ふくおうきん):お腹を囲むコルセット

腹横筋は、お腹の最も深いところにある筋肉です。お腹から脇腹、背中側までを帯のように横向きに囲んでいます。

天然のコルセットにたとえられることが多く、お腹まわりを内側から支える役割があります。ピラティスで「おへそを背骨のほうへ軽く近づける」と表現されるのは、この筋肉を意識するためです。

多裂筋(たれつきん):背骨を支える細かな筋肉

多裂筋は、背骨に沿って細かくついている筋肉です。背骨の一つひとつを安定させる役割があると考えられています。

背骨を一つずつ丸めたり伸ばしたりするピラティスの動きでは、背骨まわりの細かな筋肉を感じやすくなります。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん):胴体の底を支える

骨盤底筋群は、骨盤の底にハンモックのように広がる筋肉の集まりです。お腹の中の臓器を下から支える役割があります。

目に見えない場所なので意識しにくいのですが、呼吸とあわせて働くと説明されることがあります。ピラティスでは、息を吐くときに骨盤の底が軽く引き上がるイメージを持つことがあります。

横隔膜(おうかくまく):呼吸の主役であり、胴体の天井

横隔膜は、胸とお腹の境目にあるドーム状の筋肉です。呼吸の中心となる筋肉で、息を吸うと下がり、吐くと上がります。

体幹の天井にあたる横隔膜は、呼吸を通して体幹全体の働きとつながっています。ピラティスで呼吸を大切にするのはこのためです。呼吸のやり方は「ピラティスの呼吸法」で詳しく解説しています。

ピラティスの体幹へのアプローチ:筋トレとの違い

体幹を鍛える方法はさまざまです。ピラティスには、いわゆる筋トレとは少し違う特徴があります。

「固める」より「支えながら動く」

体幹というと、お腹にぐっと力を入れて固めるイメージを持つ方もいるかもしれません。ピラティスでは、体の中心を適度に保ちながら、手足や背骨をなめらかに動かすことを大切にします。

体幹を固めすぎると、呼吸が浅くなったり、動きがぎこちなくなったりすることがあります。「支えながら、しなやかに動く」バランスを探していくのがピラティスの考え方です。

呼吸とセットで意識する

ピラティスでは、呼吸と体幹の働きを切り離さずに考えます。息をゆっくり吐くとき、お腹の奥の筋肉が働きやすくなるためです。

「吐きながら動く」「吸いながら準備する」といったリズムの中で、体幹を感じる練習を重ねていきます。

回数や重さより、動きの質を重視する

ピラティスでは、たくさんの回数をこなしたり、重い負荷をかけたりすることよりも、一回一回の動きの質を大切にします。

どこを動かしているか、どこが支えているか。こうした感覚をていねいに確かめながら動くことで、体幹を意識しやすくなります。

体幹を意識しやすいピラティスの基本の動き

ここでは、マットの上でできる、体幹を意識しやすい基本的な動きを紹介します。どれも回数より、ゆっくり、ていねいに行うことを大切にしてください。痛みや違和感がある場合は中止し、持病がある方や妊娠中・産後の方は医師に相談のうえで行いましょう。

仰向けで骨盤を傾ける動き

仰向けで膝を立て、足裏を床につけます。息を吐きながら、腰を床に近づけるように骨盤を後ろへ傾けます。息を吸いながら、元の位置に戻ります。

骨盤の小さな動きの中で、お腹の奥が働く感覚をつかみやすい動きです。腰を強く押しつけるのではなく、ゆっくり小さく動かすのがポイントです。

仰向けで脚を片方ずつ持ち上げる動き

仰向けで膝を立てた姿勢から、息を吐きながら片脚を持ち上げ、膝が股関節の真上にくる位置まで運びます。吸いながら元に戻し、反対の脚も同じように行います。

脚を動かしても骨盤が左右にぐらつかないように保つことで、体幹の支えを意識しやすくなります。

四つ這いで手足を伸ばす動き

四つ這いになり、手は肩の下、膝は股関節の下に置きます。息を吐きながら、片腕と反対側の脚を床と平行になるように伸ばします。吸いながら戻し、反対側も行います。

背中が反ったり、骨盤が傾いたりしないように保つことで、背中側を含めた体幹全体を感じやすい動きです。最初は腕だけ、脚だけと分けて行ってもかまいません。

動くときに気をつけたいポイント

どの動きにも共通する注意点があります。まず、呼吸を止めないことです。息を止めると、首や肩に余計な力が入りやすくなります。

次に、回数よりも動きの質を優先することです。フォームが崩れてきたら、回数の途中でもいったん休みましょう。

そして、「ここに効いている」という感覚を無理に探しすぎないことです。最初は感覚がわからなくても自然なことです。ていねいに動くことを続けるうちに、少しずつ感じられるようになっていきます。

体幹の意識を日常生活に活かすコツ

ピラティスで体幹を意識する目的は、マットの上で上手に動くことだけではありません。日常のさまざまな動作の中で、体の中心を感じられるようになることが大切です。

  • 立つとき:足裏全体で床を感じ、頭が背骨の上に乗るイメージを持つ
  • 座るとき:坐骨で座面を感じ、お腹の奥を軽く保つ
  • 物を持ち上げるとき:腰だけで持ち上げず、膝を曲げて体の中心の近くで持つ
  • 階段を上るとき:ひと呼吸して、体幹を軽く保ったまま脚を運ぶ
  • 歩くとき:体の中心から脚が伸びているイメージで、左右にぐらつきすぎないように歩く

どれも、一日中意識し続ける必要はありません。ふと思い出したときに試してみる。その積み重ねが、体の使い方を見直すきっかけになりやすくなります。

特にデスクワークが続く日は、1時間に一度くらいを目安に、座ったままひと呼吸してみてください。肋骨を横に広げるように吸い、お腹の奥を軽く保ちながら吐く。それだけでも、体の中心に意識を戻すきっかけになります。

姿勢のクセとの向き合い方については「ピラティスと姿勢の関係」もあわせてご覧ください。

1対1のマットピラティスで体幹を意識する良さ

体幹のインナーマッスルは、体の奥にあるため、自分だけでは「使えているかどうか」がわかりにくいものです。

使えているかを、その場で確かめられる

パーソナルピラティス VERT34のセッションは1対1です。体幹を保てているか、別の場所に力が入っていないかを、その場で確認しながら進められます。

体の状態やクセに合わせて、その都度メニューを調整できるのも1対1の良さです。

完全個室で、自分の体に集中できる

VERT34は完全個室です。他のお客様の目を気にせず、自分の体の感覚に集中できます。わからないことがあれば、その場で質問してください。

マット1枚だから、自宅でも振り返りやすい

VERT34はマットピラティス専門です。器具を使わずマット1枚で行うため、セッションで意識したポイントを自宅でも思い出しやすくなります。

料金は、30分×月8回で月25,000円(1回あたり3,125円)、30分×月4回で月13,200円(1回あたり3,300円)などのプランがあります。詳しくは料金ページをご覧ください。

よくある質問

ピラティスで体幹を鍛えると、お腹は割れますか?

ピラティスは、お腹の表面の筋肉を大きくすることよりも、体の奥のインナーマッスルを意識して、体の中心を保ちながら動くことを大切にしています。見た目の変化を約束するものではなく、体の使い方を見直すためのエクササイズと考えていただくのがおすすめです。

体幹を意識する感覚がなかなかわかりません。

最初はわからなくても自然なことです。体幹のインナーマッスルは体の奥にあり、ふだん意識する機会が少ないためです。呼吸と組み合わせながら、少しずつ感覚をつかんでいきましょう。1対1のセッションなら、感覚がつかみやすい動きを探しながら進められます。

体幹を意識するなら、どれくらいの頻度で通うとよいですか?

生活スタイルによって考え方は変わります。週1回(月4回)でも、週2回(月8回)でも、続けやすいペースを選ぶことが大切です。頻度の考え方は「ピラティスは週何回がいい?」で詳しく紹介しています。

腰に痛みがあっても体幹の動きはできますか?

腰に痛みやしびれがある場合は、まず医師に相談してください。医師の了承を得たうえで、セッション前に体の状態をお伝えいただければ、無理のない範囲で内容を調整します。

プランクなどの体幹トレーニングとピラティスは何が違いますか?

プランクのように、一定の姿勢をキープして体幹に負荷をかける方法もあります。ピラティスは、呼吸とあわせて体の中心を保ちながら、手足や背骨を動かしていく点が特徴です。どちらが優れているというより、目的や好みに合わせて選ぶものと考えるとよいでしょう。

まとめ:体幹は「固める」ではなく「支えながら動く」

ピラティスで意識する体幹について、ポイントを振り返ります。

  • 体幹は、お腹の表面だけでなく胴体全体を指す言葉
  • 腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜が、胴体を内側から支えている
  • ピラティスでは、呼吸とあわせて「支えながら動く」ことを大切にする
  • マットの上で意識した体幹を、立つ・座る・歩くなどの日常動作に活かしていく

体幹の感覚は、目に見えないぶん、ひとりではつかみにくいものです。パーソナルピラティス VERT34では、完全個室・1対1のマットピラティスで、あなたの体の状態に合わせて体幹を意識する練習を一緒に進めていきます。

田町・三田と横浜の2店舗は、どちらも駅から歩いて通いやすい場所にあります。体験セッションは30分2,200円、60分5,500円です。まずは体験セッションのお申し込みから、体の中心を感じる時間を始めてみませんか。